小売り各社の間で年始に休業する動きが広がる。食品スーパー大手のライフコーポレーションは2022年1月の正月三が日に約290の全店で原則休業する。イトーヨーカ堂は3割の店で元日に休業する。小売業の現場は新型コロナウイルスの感染対策も加わり、人手不足感が強まっている。働き方改革を進めて生産性を改善する。

ライフは22年1月1~3日に東京都、大阪府、神奈川県などの全店(商業施設内の店舗など除く)で休業する。21年1月1~2日にほぼ全店を休業したところ1月の既存店売上高は前年同月比6%増と売り上げへの影響がなかったため、22年の年始は休業日を増やす。

イトーヨーカ堂は首都圏の小型店を中心に、全店の3割にあたる38店で元日の営業を休む。21年の元日の休業店舗は全体の4分の1だったが対象を広げる。

スーパーや百貨店などの元日営業は、00年の大規模小売店舗立地法の施行などを受けて広がった。だが人手不足が強まり各社の負担が増している。帝国データバンクの7月の調査によると、小売業で多い非正規社員が「不足している」と答えた企業の割合は約5割に上った。

小売業は労働生産性が低いのも課題となっている。経済産業省によると労働生産性(従業員1人当たりの付加価値額)は496万円と製造業の半分以下にとどまる。店舗の運営を効率化し、持続可能な事業モデルにすることが求められている。

 

四半世紀前までは、元旦・正月は皆お正月参りに出かける程度で、多くの家庭では親戚の家や自宅で静かに過ごすことが一般的でした。ところが最近は、「初売り」という名の下、静けさを吹き飛ばして慌しい正月が始まり、年の節目も感じにくくなりました。しかし、「新型コロナウイルス感染予防対策」や「働き方改革」などの影響もあって、改めて「静かなお正月」を見直す契機を迎えています。年末年始は、必要不可欠な最低限の業種、業態の人のみの交替出勤制を採ることで(これもAI化が進むことで容易になります)不必要な長時間労働を止めることが可能になります。このことによりかえって労働生産性を高めることが、これからの企業の成長の鍵となるのではないでしょうか。