日立製作所は7月にも、事前に職務の内容を明確にし、それに沿う人材を起用する「ジョブ型雇用を本体の全社員に広げる。管理職だけでなく一般社員も加え、新たに国内2万人が対象となる。必要とするスキルは社外にも公開し、デジタル技術など専門性の高い人材を広く募る。年功色の強い従来制度を脱し、変化への適応力を高める動きが日本の大手企業でも加速する。
ジョブ型は欧米では一般的な働き方で、職務記述書(ジョブディスクリプション)で職務ごとに必要なスキルを明記する。賃金も基本的には職務に応じて決まり、需要が大きく高度な職務ほど高くなる。
働き手にとってはスキルの向上が重要になる。事業環境の変化が速まるなか、企業が必要とする能力を身につければ転職もしやすくなる。
日本では職務を限定しない「メンバーシップ型雇用」が多い。幅広い仕事を経験する総合職型で、終身雇用と一体で運用されてきた。
日立の狙いは、必要な人材を社外から機動的に募ることと、個々の社員のレベルアップだ。年功制や順送り人事の壁を取り払い、管理職の約1万人とあわせ本体3万人が全面的にジョブ型にカジをきる。
人材の専門性が乏しく流動性が低いメンバーシップ型は日本の生産性が低迷する一因ともされている。
ジョブ型が多くの企業に広がれば個別企業の競争力の向上にとどまらず、労働市場全体の人材の適正配置を通じ、日本の生産性を底上げすることが期待できる。
日本では、加速する少子高齢化によって労働人口も減少していきます。そこで、今後も経済の維持、発展を継続するためには従来の働き方を見直す必要があります。近時、日本の企業の生産性を向上させることの重要性が主張されています。企業は漫然と行ってきた年更序列型賃金制度を根本から見直し、職務の内容や成果によって賃金を決定することが求められます。また、従業員にとっては、常に学び続け能力を向上させなければなりません。その実現には、企業、従業員のいずれにも意識改革が必須のことになります。
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